こんばんは。aquaです。
昨日は春の彼岸入りでした。彼岸の中日の春分の日(3月20日)を境に昼
が少しずつ長くなり、陰陽の気も入れ替わるとされています。また、ほぼ真東
から日が上り、ほぼ真西に日が沈む春分は、古代中国では「龍天に昇る」とさ
れ、春の気もいよいよ盛んになってゆきます。
ちなみに「彼岸」とは、迷い苦しむ現世の人間界(此岸)に対する言葉で、
「彼(か)の岸に至る」を意味するサンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜
多)」からきています。煩悩の束縛から解き放たれて悟りを開いた涅槃の境地
が彼岸です。
空間的には東が現世(此岸)で、西にあるのが極楽浄土(阿弥陀如来が建立
したとされる極楽)となっています。太陽がほぼ真西に沈むこの時期は西方に
ある浄土(彼岸)に最も近いと考え、仏事が行われるようになったそうです。
ところで、彼岸に欠かせないのが「ぼたもち」です。今は一年を通して「お
はぎ」として売っているお店も多いのですが、本来は季節の花にちなみ春の彼
岸は「牡丹餅」、秋の彼岸が「お萩」。赤色系の花の色や、餡となる小豆には
邪気を払う効力があるとされています。
この二つ、違いは食べる時期や名前だけではなく、ぼたもちは牡丹の花をか
たどり丸く大きく、おはぎは萩の花のように小ぶりで少し長め、元々はぼたも
ちはこし餡、おはぎはつぶ餡という違いもありました。
ちなみに、夏のぼたもちは「夜船」、冬のぼたもちは「北窓」、そういう呼
び名もあります。ぼたもちは餅米を使いますが、杵と臼でつくようなことはし
ません。「(餅なのに)ついたのかわからない」→「夜の船はいつ着いたのか
分らない」から転じて「夜船」、そもそも「つかない」→「月がない」「月が
見えない」から少し飛躍して「北窓」と言うそうです。